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管理職が辞める会社の特徴・理由は?組織に与える影響や対処法も解説

「最近、管理職が次々と辞めていく」
「うちの会社は、もしかしたら危険な状態なのかもしれない」

上記のような状況に、強い不安や危機感を抱いてはいないでしょうか。管理職の退職はどのような企業にも起こり得るものであり、成長企業ほど陥りやすい構造的課題として捉えられています。

本記事では、管理職が辞める会社に共通する特徴や原因を深掘りします。さらに、管理職の離職が組織に与える具体的な影響や、企業が今すぐ取り組むべき対策について、専門的な視点から詳しくまとめました。

本記事を参考に自社の状況を客観的に把握し、適切な対処を講じていただければ幸いです。

管理職が辞める会社の実態

近年、多くの企業で管理職の離職が深刻な経営課題となっています。管理職は経営層と現場の板挟みになりやすく、一般社員とは質の異なる重い責任やプレッシャーにさらされる傾向にあります。

こうした過酷な労働環境は、組織からの離職を検討させる大きな要因となっています。実際、30歳以下で管理職2~3年目の層を対象にした調査では、半数以上が現在の職責に対し「可能であれば管理職を辞退したい」という趣旨の回答をしており、その負担感の強さが浮き彫りになっています。

こうした管理職の回避傾向は現職者のみならず、次世代を担う若手社員にも波及しています。Z世代の半数近くが管理職へのキャリアアップを望んでいないというデータもあり、ポストへの魅力低下が将来的な優秀層の離職を招くリスクも懸念されます。この傾向は、管理職の離職が個人の耐性や資質の問題ではなく、組織の構造的な課題であることを示唆しています。

参考:日経コンパス「30歳以下の若手管理職の半数以上が「管理職をやめられるならやめたい」と回答。【30歳以下の若手管理職に関する調査 <マネジメントの悩み編>】[あしたのチーム]」
参考:マイナビキャリアリサーチLab「Z世代の「管理職離れ」は本当か? 最新調査から読み解く「Z世代が望むキャリアアップ」」

管理職が辞める会社に共通する特徴

特定の会社で管理職の離職が相次ぐ背景には、いくつかの共通した組織的な特徴、いわば組織の病理が存在します。自社の状況と照らし合わせながら、危険な兆候がないか確認してみましょう。

特徴具体的な状況
激務と板挟み構造経営層からの高い要求と、現場の現実との間で調整に追われ、心身ともに疲弊している。
不公正な評価・報酬業務量や成果に対して給与が見合っておらず、頑張り損と感じている。評価基準が曖昧。
限定的な裁量権細かい部分まで上層部の承認が必要で、自律的に仕事を進められない。マイクロマネジメントが横行している。
コミュニケーション不足経営層と現場の意思疎通が乏しく、会社の方針や意思決定の背景が不透明。
ハラスメントの放置相談窓口が機能しておらず、ハラスメントが起きても適切な対応がなされない。心理的安全性が低い。
サポート体制の欠如新任管理職に対する研修やメンター制度がなく、孤立無援の状態でマネジメントを任される。

各特徴について、順番に解説します。

激務と板挟み構造の常態化

管理職が辞める会社では、過度な業務負荷が常態化しているケースが多く見られます。経営層からの高い目標達成へのプレッシャーと、現場の人員不足やリソースの限界という現実との間で板挟みになりがちです。

部署間の利害調整やトラブル対応にも追われ、本来注力すべき部下の育成や戦略立案に十分な時間を割けないことも珍しくありません。激務と板挟み構造の常態化によって、組織の緩衝材として心身ともにすり減ってしまい、燃え尽きてしまうのです。

成果に見合わない評価・報酬制度

管理職が負う責任の重さや業務量、達成した成果に対して、給与や待遇が見合っていないことも大きな離職理由です。評価基準が曖昧であったり、上司の主観に左右されたりする評価制度では、正当に評価されていないと感じるのは自然なことです。

「これだけ頑張っても報われない」といった不満・不公平感は、仕事へのモチベーションを著しく低下させ、より良い条件を求めて転職を考える直接的な引き金となり得ます。

管理職の裁量権が限定的

責任だけが重く、それに見合う権限や裁量権が与えられていないことも、管理職の意欲を削ぐ大きな要因です。意思決定のたびに上層部にお伺いを立てなければならなかったり、予算執行の自由度が極端に低かったりすると、管理職は自分の判断で仕事を進められません。

マイクロマネジメントが横行する組織では管理職は自律性を発揮できず、指示伝達役としての役割しか果たせなくなり、やりがいを失ってしまうといったケースが多く見られます。

経営層とのコミュニケーション不足

経営層と管理職の間で、十分なコミュニケーションが取れていない会社も危険です。経営層が現場の実態を理解しないまま一方的な指示を出す、あるいは会社の重要な意思決定のプロセスが不透明であるといった状況は、管理職の不信感を募らせます。

会社がどこへ向かっているのか、なぜその戦略をとるのかが共有されないままでは、管理職は部下に方針を説明できず、組織への帰属意識も希薄になっていきます。

ハラスメントの放置

職場でパワーハラスメントやセクシャルハラスメントが発生しても、会社がそれを見て見ぬふりをする、あるいは適切に対処しない環境は危険な兆候です。相談窓口が機能していなかったり、加害者に甘い処分しか下されなかったりすると、職場の心理的安全性は著しく損なわれます。

結果として、部下を守れない無力感や、会社への強い不信感から管理職が辞めるケースが後を絶ちません。

なお、職場でのハラスメントについては、令和元年に改正された労働施策総合推進法において、事業主に対して主に以下の事項について努めることとする責務規定が定められています。

  • 職場におけるハラスメントを行ってはならないことその他職場におけるハラスメントに起因する問題に対する自社の労働者の関心と理解を深めること
  • 自社の労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修その他の必要な配慮をすること
  • 事業主自身(法人の場合はその役員)が、ハラスメント問題に関する理解と関心を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うこと

参考:厚生労働省「職場におけるハラスメント対策パンフレット」

新任管理職へのサポート体制の欠如

プレイヤーとして優秀だった人材を、十分な研修やサポートなしに管理職に登用してしまうケースも問題です。マネジメント経験のない新任管理職は、部下とのコミュニケーションや目標設定、労務管理など、多くの未知の課題に直面します。

適切な指導や相談相手がいないと管理職は孤立感を深め、プレッシャーに耐えきれずに早期離職に至ってしまうのです。

なぜ管理職が辞める会社はリスクが高いのか

管理職の離職は、組織の根幹を揺るがす深刻かつ広範囲な影響を及ぼす可能性があります。影響は短期的なものから、じわじわと会社を蝕む長期的なものまでさまざまです。

管理職の離職が組織にもたらす影響は、主に以下のとおりです。

  • 業務停滞とノウハウ流出
  • 負担増による残された社員の士気低下
  • 連鎖的な離職と組織文化の悪化
  • 生産性低下による企業競争力の喪失
  • 企業のブランドイメージ毀損・採用難

上記5つの影響について、順番に解説します。

業務停滞とノウハウ流出

経験豊富な管理職が退職すると、その人が担っていた業務は必然的に停滞します。後任がすぐに決まらない場合、プロジェクトの遅延や品質の低下は避けられません。

さらに深刻なのは、退職者の中に蓄積されていた専門知識や顧客との人脈といった無形資産が、組織から永久に失われてしまうことです。企業の競争力を直接的に削ぐ大きな損失となるのです。

負担増による残された社員の士気低下

管理職が一人抜けると、その業務は残されたチームメンバー、特に他の管理職やリーダー格の社員にのしかかります。ただでさえ多忙な中で追加の業務負担を強いられれば、残された社員のモチベーションが大きく低下しかねません。

また、信頼していた上司の退職は、「この会社に未来はないのかもしれない」といった不安をチーム全体に広げ、組織の士気を著しく下げてしまいます。

連鎖的な離職と組織文化の悪化

一人の優秀な管理職の退職は、しばしば連鎖的な離職を引き起こします。退職した上司を慕っていた部下や、同じように会社の将来に不安を感じていた同僚が、次々と後を追うように辞めていくのです。

連鎖的な離職が始まると、組織内には不信感や諦めの空気が蔓延して前向きな議論や協力体制が失われ、健全な組織文化は崩壊へと向かいます。

生産性低下による企業競争力の喪失

管理職は、チームの目標達成を導き、部下のパフォーマンスを最大化する重要な役割を担っています。要となる人材が不在になることで、チーム全体の生産性が低下するのです。

意思決定のスピードが落ち、業務の効率が悪化し、新たな価値創造も停滞します。こうした内部からの弱体化は、最終的に企業の市場における競争力を失わせる結果につながります。

企業のブランドイメージ毀損・採用難

現代では、転職希望者の多くが企業の口コミサイトなどで評判をチェックします。管理職が次々と辞めている情報は瞬く間に広がり、「あの会社は働きがいがない」「組織に問題がある」といったネガティブな評判につながります。

ブランドイメージの毀損は、優秀な人材の採用を極めて困難にし、長期的な人材確保の観点から企業に致命的なダメージを与えかねません。

管理職が辞める会社で実践すべき対処法

管理職の離職という深刻な問題に歯止めをかけるためには、付け焼き刃の対策ではなく、組織の根本的な体質改善が必要です。

定期的な面談や意見ヒアリングで不満を把握する

問題解決の第一歩は、現状の正確な把握です。部下との1on1ミーティングを定期的に実施し、業務上の課題だけでなく、キャリアへの考えや悩みなどを率直に話せる信頼関係を構築しましょう。

また、匿名性を担保したアンケート調査などを活用し、管理職が抱える本音の不満や意見を吸い上げる仕組みを作ることも有効です。結果として、問題が深刻化する前に兆候を把握でき、対策を講じられます。

成果に見合う評価が受けられる仕組みを整える

管理職が納得感を持って働けるよう、公正で透明性の高い評価制度を構築・運用していくことが不可欠です。個人の成果だけでなく、チームへの貢献度や部下育成といったプロセスも評価の対象に加えることで、多面的な評価を実現します。

評価基準やプロセスを全社員に公開し、評価結果に対するフィードバックを丁寧に行うことで、制度への信頼性を高められます。

労働環境の改善により管理職の過重負担を解消する

長時間労働の是正は、喫緊の課題です。勤怠管理システムを導入して労働時間を正確に把握し、非効率な業務プロセスを洗い出して改善を進めましょう。

ITツールを活用した業務の自動化や、会議のあり方を見直すことも有効です。管理職が本来のマネジメント業務に集中できる環境を整えることが、過重労働の解消につながります。

予算や人員配置のバランスを再検討する

「人手不足だから仕方ない」と問題を放置せず、経営層は現場の実態に基づいた人員配置や予算配分を行う責任があります。特定の部署や管理職に過度な負担が集中していないか、組織全体を俯瞰して検証し、必要に応じてリソースを再配分しましょう。

業務量に対して人員が明らかに不足している場合は、新規採用や業務委託の活用も積極的に検討すべきです。

管理職の役割に応じた裁量権を付与する

管理職に責任を求めるのであれば、それに見合う権限と裁量を与える必要があります。現場の状況をもっともよく知る管理職が、自らの判断で迅速に意思決定できる範囲を広げることで、仕事のやりがいと主体性を引き出します。

経営層はある程度の失敗を許容する文化を醸成し、管理職の挑戦を後押しする姿勢を示すことが大切です。

管理職向けの研修・教育プログラムを充実させる

優れたプレイヤーが、必ずしも優れたマネージャーになれるわけではありません。リーダーシップやコーチング、目標設定、フィードバック、労務管理など、管理職に必要なスキルを体系的に学べる研修機会を提供しましょう。

特に新任管理職に対しては、手厚いオンボーディングプログラムや、経験豊富な先輩管理職が相談役となるメンター制度を導入すると、スムーズな立ち上がりと早期定着を支援できます。

管理職の満足度や定着率を高めるサービス

自社だけで管理職の離職問題に取り組むのが難しい場合、外部の専門的なサービスを活用するのも有効な手段です。近年、企業の組織変革や人材育成を支援する多様なサービスが登場しています。

例えば、私たちチェンジウェーブグループは、「人、組織、社会のまだ見ぬ可能性を開く」をミッションに、15年以上にわたり500社以上の組織変革を支援してきた実績が強みの一つです。提供しているサービスには、以下のようなものがあります。

サービス詳細
アンコンシャスバイアス研修・eラーニング「ANGLE」管理職自身が持つ無意識の偏見に気づき、公正な意思決定や部下とのコミュニケーションを促します。
変革リーダー育成プログラム「変革カレッジ」DE&I推進や人的資本経営といった現代的な課題に取り組む次世代リーダーを育成します。

これらのサービスは、DE&I(多様性、公平性、包括性)の推進や、仕事とプライベートの両立支援といった、現代の管理職が求める働きがいのある職場環境の構築に直接的に貢献します。外部の知見やツールを取り入れることで、より効果的に管理職のエンゲージメントを高め、離職防止につなげられます。

まとめ:適切な対処法で管理職が辞める会社からの脱却を

管理職の相次ぐ離職は組織が発する危険信号であり、背景には多くの場合、根深い構造的な問題が潜んでいます。激務や不公正な評価、コミュニケーション不足といった特徴は管理職の心身を疲弊させ、組織全体の活力を奪っていきます。

管理職の離職問題を放置すれば、業務停滞や連鎖退職、企業競争力の喪失といった深刻な事態を招きかねません。重要なのは、管理職の離職を個人の問題として片付けず、組織全体で取り組むべき経営課題として捉え直すことです。

本記事で紹介したように、まずは現状を正確に把握して評価制度や労働環境の見直し、コミュニケーションの活性化といった多角的な対策を粘り強く実行していきましょう。

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