トップ - コラム - なぜ企業文化の変革は難しいのか~戦略を阻む「組織OS」の正体~

なぜ企業文化の変革は難しいのか~戦略を阻む「組織OS」の正体~

― 戦略を実行できる組織をつくるために ―

DX推進、事業ポートフォリオ転換、M&A後の統合、人的資本経営の高度化。
多くの企業が変革を掲げ、戦略を描き、制度を整えています。

しかし現実には、企業変革の成功率は3割前後と言われます。
優れた構想・戦略があっても、実行段階で停滞してしまうことは少なくありません。

その背景には、しばしば「企業文化」が関わっています。

私たちチェンジウェーブグループは、600社を超える企業の変革に伴走させていただく中で、この課題に向き合い続けてきました。
本コラムでは、なぜ、企業文化変革がこれほどまでに難しいのか、そして、それを超える一歩はどこから始めるのか、お伝えしたいと思います。

文化の本質は「暗黙の前提」である

文化は思っている以上に、静かに、しかし確実に組織を方向づけています。

企業文化は、スローガンや理念そのものではなく、その本質は、
 - 共有された暗黙の前提
 - 意思決定の優先順位の蓄積 にあります。

会議で何が優先されるのか。
誰の意見が最終的に通るのか。
どのリスクは許容され、どのリスクは避けられるのか。
それらの判断の積み重ねが、やがて「当たり前」として固定化されます。

エドガー・シャインが示した通り、文化の核は無意識レベルの前提にあります。
文化を変えるとは、この暗黙の前提を書き換えることに他なりません。

制度ではなく、リーダーの行動が文化をつくる

制度や研修だけで文化が変わることは、ほとんどありません。
私たちが現場で繰り返し見てきたのは、リーダーの判断こそが組織の“OS”をつくるという事実です。

何に時間を使うのか。
何を議題に上げるのか。
どの案件に資源を配分するのか。
そうした日々の選択が、静かに文化を形成していきます。

変革の壁は「能力不足」ではない

人と組織の変革に伴走させていただく中で私が確信したのは、「人が変われないのは能力が足りないからではない」ということです。

人は無意識のうちに「変わらないことで守られているもの」を抱えています。

成人発達理論の世界的権威である、ロバート・キーガン氏が“Immunity to Change”理論で示すように、変化を阻むのは、隠れたコミットメントと強力な固定観念です。
たとえば、
「権限委譲を進めたい」と言いながら、実際には「任せると、業績が落ちるかもしれない」という不安を抱えている。無意識に、でも強く持っているこの前提を言語化し、再定義しない限り、新しい行動は定着しません。

文化変革とは、固定観念を書き換えるプロセスでもあります。
チェンジウェーブグループがアンコンシャス・バイアスに取り組み続けているのは、アンコンシャス・バイアスによる固定観念の弊害を感じてきたからなのです。

古典的アプローチからアジャイル型へ

従来の変革は、危機感を起点とした直線型モデルが主流でした。
しかし変化が常態化している現在、一度きりの大変革では追いつきません。

必要なのは、小さな実験を高速で回し続けることです。
Continue / Stop / Create を問い続けながら、行動を観察可能なレベルまで具体化していく。
文化は「宣言」ではなく、「運用」によってつくられます。

チェンジウェーブグループが重視する3つの原則

これまでの現場経験を振り返ると、文化変革にはいくつかの要点があると感じています。

1、理念ではなく、意思決定を再設計する
文化を変えようとしたとき、もちろん、理念は重要です。
しかし、理念が機能するかどうかは、日々の意思決定に反映されているかで決まります。

会議で何が優先されるのか。
どの案件に資源が配分されるのか。
誰の発言が最終的に採用されるのか。

こうした具体的な判断の場面が変わらなければ、文化は変わりません。
文化変革とは、理念を掲げ直すことではなく、判断基準を整えることにあります。

2、文化を「構造」として扱う
企業文化は、長い歴史と成功体験の積み重ねの結果です。
だからこそ、表層的な施策だけでは動きません。

文化には必ず“理由”があります。
なぜその判断が選ばれてきたのか。
どの成功体験が今の前提を支えているのか。

それらを構造として捉え、解きほぐし、再設計する。

文化を「変えられない空気」ではなく、
「設計可能な構造」として扱うことが、持続的な変革の前提になります。

3、小さく実証し、波及させる
全社一斉に号令をかけても、文化は動きません。
現場は様子を見るからです。

まずは中核リーダーが新しい意思決定を実践し、小さくても確かな成功体験をつくる。
その事実が周囲に伝わると、組織は初めて動き始めます。

「論理」よりも「実例」。
文化を動かすのは、説得ではなく、実証です。

企業文化変革は、経営アジェンダである

文化は抽象概念ではありません。組織の意思決定OSです。
OSが変わらなければ、戦略は実装されません。

企業文化変革とは、経営戦略を実行可能な構造へと転換するプロセスです。
それは人事施策ではなく、経営そのもののテーマです。

おわりに

文化は変えられます。
ただし、意思決定から変えなければなりません。
戦略を実装できる組織をつくるために
今の企業文化を、改めて見つめ直してみませんか。

チェンジウェーブグループは、理論と実践に基づく構造設計によって、持続可能な企業文化変革をご支援しています。
まずは組織課題についてお聞かせください。

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