獲得したのは「組織視点」と「動かす力」。実証実験で若手リーダーが動き出す 異業種研修「変革カレッジ」

「現場を変えたい」
その想いはあるのに、どう動けばいいのか分からない。
せっかくの危機感が、愚痴で終わってしまう。
若手・次世代リーダー人材の多くが、課題意識を持ちながらも
慣習や組織の壁の前で立ち止まっています。
異業種研修「変革カレッジ」は、
そうしたリーダー人材が、自ら考え、組織課題を捉え直し、周囲を巻き込みながら
変革に向かって一歩踏み出す力を獲得するための実践の場です。
本レポートでは、実証実験という挑戦に8か月間向き合い、参加者にどのような変化があったのか、また、組織にどのような「変革のタネ」が生まれたのかをお伝えします。
異業種×実証実験で挑む「変革カレッジ」とは
冒頭、プログラムを主催するチェンジウェーブグループ代表の佐々木裕子より
変革カレッジに込めた思いが語られました。

変革カレッジが目指すのは、知識習得を目的とした研修ではありません。
自社の現場課題を起点に、
・本質的な課題を構造的に捉え
・解決につながる方法に仮説を立て
・周囲を巻き込みながら実証実験として試す
・見えてきた結果を考察し、提言につなげる
この一連のプロセスを通じて、組織視点と実行力を同時に鍛える、異業種プログラムです。
営業職の女性が、自らのキャリア構築や営業現場の課題解決に挑み、実施された300以上の実証実験からは、制度改定や全社施策へと発展したものもあります。
そのエイカレの思想を継承しつつ、属性・職種問わず参加できる形へと進化させたのが、「変革カレッジ」です。
大変革の時代である今、枠にとらわれず、多様なメンバーがチームを組んで実証実験に挑むことで、組織に変革を起こす力を育てていきます。
多様なメンバーでぶつかり合い、やり抜いた実証実験
変革カレッジ第1期には、4社5チーム・17名のリーダー人材が参加しました。
8か月にわたる期間中、集合するのは5日間。
本質課題の捉え方、クリティカルシンキングによる構造化、実証実験の設計を学び、各社チームごとに設定したテーマに向き合っていきました。
中間発表では外部有識者からの率直なフィードバックを受け、ブラッシュアップ。試行錯誤を重ねながら、最終発表に臨みました。

変革カレッジ2025
【参加企業/チーム名/実験テーマ】
| 参加企業 | チーム名 | 実験テーマ |
|---|---|---|
| コニカミノルタジャパン 株式会社 | KMJ ~これからマジで変わる女子~ | 女性営業が長く活躍できる「残業とメンタル」の見直し |
| 株式会社JTB商事 | JTBネクストラボ | 〜未来の営業スタイル〜 選択的ハイブリッド営業 |
| 株式会社スタッフサービス | とさかくらぶ | 「派遣の職場見学」のオンライン化で、移動時間ゼロと成約率向上を両立 |
| 株式会社スタッフサービス | 町中華 | 派遣契約「3か月更新が当たり前」を壊し、働く人に安心と納得を |
| 森永製菓株式会社 | 森永 Timeless Project | 「お互い様」を仕組みに。助け合いシステムで営業のレジリエンスを高める |

【審査員】
・佐藤 博樹 氏 東京大学名誉教授、中央大学ビジネススクール・フェロー
・鴨居 達哉 氏 経営者
・浜田 敬子 氏 ジャーナリスト前Business Insider Japan統括編集長/AERA元編集長
・佐々木 裕子 株式会社チェンジウェーブグループ 代表取締役社長 CEO
【企業審査員】
・風澤 麻耶 氏 コニカミノルタジャパン株式会社
・大澤 実紀 氏 株式会社JTB商事
・山﨑 亮 氏 株式会社スタッフサービス
・安藤 正 氏 森永製菓株式会社
最終発表で見えた「変化の兆し」
そして迎えた最終発表会。
5チームの発表が行われ、大賞と審査員特別賞が決定しました。
大賞
株式会社JTB商事
チーム名:JTBネクストラボ
(森本亜衣さん、塚越仁美さん、中川颯人さん、深尾舞さん、大野 健太さん)

テーマ
〜未来の営業スタイル〜 選択的ハイブリッド営業
取り組みのポイント
地域拠点の営業は40〜60代が約7割を占め、10年後にはベテラン層が大幅に退職する見込み。一方で、若手の約8割は「転居を伴う異動ができない/したくない」と回答しており、地域営業の存続が危ぶまれていた。
居住地に縛られない働き方を前提とした営業モデルを実証し、ワークライフバランスの向上や業務効率改善といった成果を上げたと同時に、現地対応の制約や新規開拓の難しさなどの課題も改めて確認。“多様な働き方の導入は不可欠”としたうえで、今後に向けた制度や働き方など6つの変革ポイントを提示した。
審査員講評
佐藤 博樹氏
対面が営業の中心、という前提そのものを問い直し、ビジネスモデルの再設計に進化させた。日本の働き方を変えていく一歩に踏み込んだ点を評価しました。

審査員特別賞
森永製菓株式会社
チーム名:森永Timeless Project (田下 晶さん、吉村 真実さん)

テーマ
助け合いを、仕組みに ―“頼る”ことで営業組織を強くする―
取り組みのポイント
営業職では得意先や業務が個人に紐づきやすく、急に業務ができない状況が発生した際も「自分で何とかしなくては」と業務を抱え込んでしまいがちであり、その結果、特に女性がキャリア継続の難しさを感じている。また、組織としても対応遅れなどの機会損失が生じていた。
そこで、オープンチャットを活用して部内不特定多数に業務支援を依頼できる仕組みを実証。158名を対象に実験した結果、「頼る」ことへの心理的ハードルの低下、対応遅れなどを防ぐなど機会損失の防止が41件確認された。
現在、来年度以降の本格的な仕組み化に向けた調整が進められている。

審査員講評
浜田敬子氏
「営業の数少ない女性管理職」としての圧倒的な当事者意識を感じました。「この状況をなんとかしたい」という思いに心を打たれましたし、提言を受けた経営層(執行役員・安藤氏)も制度化に向けて進めることを明言されていましたので、そこにも期待しました。
発表にもありましたが、子育てや介護だけでなく、様々な事情を持つ方、また、人手不足の部署のサポートなど、誰もが働きやすい職場、誰もが能力を発揮できるような職場を作る制度設計をしていただけたらと思います。
若手リーダーがつかんだ変化
参加者アンケートでは、満足度、成長実感ともに100%という回答を頂きました。


特に「成長を感じる」として多く挙げられたのは、
・自部署、自社を俯瞰して捉える組織視点
・周囲を巻き込み、合意形成を進める力と実行力
・データや事実をもとに語る力
・自分の言葉で発信する重要性と自信
など。現場を動かすために不可欠な変化だったと言えます。
人事・事業部門の上長から見た、リーダー育成の成果
人事ご担当者、営業部門から

小さな一歩が、組織を動かす
特別審査員から変革カレッジに寄せて
佐藤 博樹氏 東京大学名誉教授、中央大学ビジネススクール・フェロー
このカレッジを終えると、皆さんはそれぞれ別々の職場へ戻ります。
チームは離れますが、各職場で変えられることは必ずあります。
会社全体のルールでなくても、お客様に相談してみる、スタッフに働きやすい条件を聞いてみる──そんな“小さな工夫”も立派な変革 です。
「会社が変わらなきゃ」「上司が動かなきゃ」と思いがちですが、身の回りには変えられることがたくさんあります。
皆さんが一歩動けば、同僚も連鎖的に変わり始めます。
ぜひ職場で小さな一歩を実行してください。その積み重ねこそが、会社全体、そして社会の変革につながります。
浜田 敬子氏 ジャーナリスト前Business Insider Japan統括編集長/AERA元編集長
皆さんの提案には、業界の慣習や当たり前に疑問を投げかけ、小さな工夫から大きな変革につながりうる視点が多くありました。
次の世代へこの流れをつなぐためにも、社内の仲間を巻き込みながら、今回生まれた変革の“種”をぜひ育ててください。
また、本日参加された役員の皆さまには、ぜひこのプランを実行に移し、挑戦を形にしていただければ、この変革カレッジの意義がさらに深まると思います。

変革を生む場、変革が広がる場として
変革カレッジが目指すのは、一部のリーダー人材だけが成長する場ではありません。
参加者一人ひとりが獲得した組織視点と動かす力が、職場に変化を生み、周囲を巻き込み、次のアクションにつながっていく。
そうした変化の波を広げていくことです。
「リーダーとなる人材に、変革実践の機会を持たせたい」
「自社を変えていく一歩をつくりたい」
そう考える企業の皆さまにとって、本プログラムが一つの選択肢となれば幸いです。
■変革カレッジ第2期募集のご案内