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全社を巻き込む施策設計で、介護をキャリアの制約にしない風土を作る 中外製薬株式会社様(前編)

中外製薬株式会社
人事部DE&I推進グループマネジャー 佐藤 華英子 様

中外製薬株式会社の、2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」では、高い目標を掲げ挑戦し続けていますが、その実行の主体は「社員」であり、戦略実現に向けては、多様な人財が最大限の力を発揮できることが不可欠であると考え「DE&I」を積極的に推進しています。その一環として、仕事と介護の両立支援にも取り組んでいますが、単に福利厚生という視点ではなく「人財マネジメントの重要課題」として取り組んできました。全社を巻き込む施策設計のポイントとデータの活用方法について、人事部DE&I推進グループマネジャーの佐藤様にお話を伺いました。

1.「点」から「線」へ:3年ごとの実態把握を軸とした継続的支援

佐藤様:当社のダイバーシティへの取り組みは2010年頃から始まっており、2012年にも全社的な介護実態調査を実施しています。当時は情報サイトの立ち上げやセミナーを行いましたが、「女性活躍推進」が最優先課題であったこともあり、介護支援については継続的な施策にまで至りませんでした。

2.介護を「キャリアの制約」にしないためのリテラシー向上

佐藤様:労働組合からも「制度を充実させてほしい」「相談先がほしい」「知識習得の機会が欲しい」といった声が上がっていました。介護は個別性が非常に高く、単に休暇制度を拡充するだけでは解決しません。最も避けるべきは、知識がないまま突然の介護に直面し、混乱の中で不本意な選択をしてしまうことです。まずは「いかに両立体制を構築するか」というリテラシーを早期に習得することが、社員の安心感を生み、組織運営上のリスクヘッジに直結すると考えました。

3.鍵は施策展開の順序(ストーリー):マネジャー起点の4ステップ

佐藤様:最も重視したのは、施策を展開する「順序(ストーリー)」です。唐突に全社員へ広げるのではなく、段階を踏んで理解の土壌を醸成していきました。



【中外製薬が実践した4つのステップ】

Step 1:メッセージの発信

まずは組織長に対し、会社が介護支援に取り組む意義を明確に伝達。

Step 2:マネジャー層への先行展開

支援のキーパーソンとなるマネジャーに、セミナーとLCATの受講を先行実施。「自身もリテラシーが不足している」といった自覚もうまれ、介護施策の展開の必要性を理解。

Step 3:全社員への展開

マネジャーの理解が得られた段階で、全社員へLCATとセミナーを実施。上司が内容を理解しているため、マネジャーから部下への受講推奨につながり、円滑な全社展開が可能に。

Step 4:情報提供

両立支援セミナーで寄せられた切実な悩みや具体的なQ&Aを、専門家の回答とともにイントラで公開。知見をナレッジ化するとともに、個別相談窓口を設置。


佐藤様:はい。マネジャーが「自分事」として捉えてくれたことで、やらされ感ではなく、組織に必要な「備え」として浸透していったと感じています。

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